2008年10月09日

薬害C型肝炎訴訟が事実上和解

薬害C型肝炎訴訟が事実上和解をしました。薬害エイズのときも感じていましたが、和解は終わりでなく、和解で約束した内容が実行されて初めて和解が成立します。和解しても、亡くなられた方たちは還らず、生存する原告の方々の治療や病気の苦しみは続きます。発症の不安を抱え、原告として名乗ることのできない方々の辛さも続きます。和解で合意された内容が果たして実行されるのかどうか、監視が必要です。

自分の場合、血液製剤によってHIVだけでなく、HCV(C型肝炎ウィルス)にも感染していました。ペグ=インターフェロンとリバビリンの併用療法により、現在、C型肝炎ウィルスは消えた状態です。肝臓の検査結果も以前より良くなりました。薬害の被害者であると同時に、薬によって生命をつないでいる身でもあります。しかし、つらい副作用の治療に耐えながらもウィルス性肝炎を完治できる人は多くいません。また肝硬変、肝臓ガンなど進行していると更に治療は難しくなります。HIVとHCVに重複感染していると、HIVの薬も肝臓に負担がかかる劇薬指定の薬であり、HIVで死ぬよりも、HCVで亡くなるケースのほうが多いのが現状です。

今回、薬害C型肝炎原告に先天性疾患の患者は含まれていません。薬害肝炎に関する法律案の審議の中でも、何度も取り上げられてきましたが、修正されませんでした。血液製剤が必要不可欠の存在だったからということですが、実際は防ぐことができた薬害でも、危険性を知らされることなく、安全だとして使わされてきました。これは犯罪です。薬害エイズのときには、まさに5日に一人の割合で亡くなっていくときに和解を迎えました。C型肝炎の被害者数の規模はさらに大きいのです。多いか少ないかではなく、解決されなければならない問題だと思います。

より広範囲な被害者が公平に、必要とする手当や治療を受けられるようにする恒久対策をこそ、国と製薬企業が責任を持つべきです。これは、薬害だけの問題にとどまりません。水俣などの公害や、今後引き起こされるかもしれない原発災害や放射性物質による健康被害・環境への害についても国と企業の責任の取り方が問われてきます。

いま、安全・安心ばかりを強調し、問題の核心に迫る改革をしないままに、何か問題が起ってから責任のとれないままに物事を進めていく政府の姿勢が目立ちます。2度と起らないように、根本的な再発防止策を講じることが何よりも大事です。薬害エイズのときも、検証が十分に行われませんでした。全ての資料が公開されたわけでなく、また刑事裁判になって証拠にとりあげられたもの以外の資料、また証拠になった資料さえも誰でも見ることのできる状態にはなっていません。なぜこのようなことが起ったのか、徹底的な検証が必要です。

本年5月より、薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会が始まっています。前半は厚生労働省の人員増加のための概算要求を主たる目標とした中間取りまとめが出されましたが、薬害肝炎事件そのものについての検証は後回しにされました。今後は、しっかり検証を行なってほしいと思います。とくに70年代から80年代にかけて、C型肝炎がこれほどまでに拡大してしまった原因を検証していくことで、薬害エイズの真相究明にもつながります。こうした検証を経て、薬害を根絶するために必要な措置を明確化し、そこから二度と同様の被害を起こさないための法律へとまとめあげる作業が必要となります。

ドラッグラグの問題がクローズアップされ、有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会が開かれ、報告書がまとめられました。これ以前に治験のあり方検討会での議論もあり、検討会外部からも治験以外の臨床試験でも被験者/患者の権利が保護されるための法律をつくるべきとの意見が出されました。他の国では確立されているのにこの国にはない、患者の権利を守り、また薬をつくる人たち、研究する人たちも研究を進めやすくする環境整備が必要です。そのためには第一に、治験に限らない臨床研究の法制化が、立法府で取り組むべき緊急課題です。さらに、医薬品の承認や安全性のための調査をする厚生労働省内、また独立行政法人医薬品医療機器総合機構の改革、あるいは将来設置が望まれている医薬品庁、消費者庁での取り組みなど、医薬品行政の根本に関わる国の仕組みづくりが重要になってきます。

いま、参議院議員の立場で、こうした薬の安全審査、安全管理のための体制づくりに関わり、患者、医学研究の被験者を保護しつつ、有効で安全な薬を迅速に提供できるための法律を作っていきたいと考えています。そのためには、公開勉強会を積極的に開いていきたいです。誰もが自由に参加できるこの勉強会では、患者・市民、医師・研究者、行政・議員の方々との、継続的な議論を重ねています。

多くの人に知ってもらい、関心を持ってもらうことが、より良い法律を作ることには大切です。知らないところで知らないうちに法律が作られていくのではなく、多くの人たちが、自分たちの手で、自分たちのための法律を、誰かにおまかせするのではなく、一人一人が参加する形で作っていける国会にしていきたいです。自分ができること、今、目の前にある問題に着実に取り組みながら、薬害根絶と、患者・被験者の権利の確立に向けて、努力を続けていきたいと思っています。
                                    川田 龍平


posted by 川田龍平事務所 at 10:39 | TrackBack(0) | 活動
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