国際連帯税とは、現在世界規模で議論されている「地球温暖化」やエイズをはじめとする「感染症」などの地球規模の課題に対して、その対策のための資金を創出する方法の一つです。日本の国会議員の間にも超党派の「国際連帯税創設を求める議員連盟」というものがあり、定期的に勉強会などを開催し、実現に向けて議論をしています。
本日は、参議院議員会館にある会議室に、NGOの方々、外務省・財務省、国連機関、国会議員など30名前後の方が集まり、7月8日から10日にかけてイタリアで行われたラクイラ・サミットで、国際連帯税についてどのような議論があったのか、また、今後の活動の方向性などの報告を聞きました。
○イタリアで行われたラクイラ・サミットでの国際連帯税について
今回のラクイラ・サミットでは、主要8ヶ国が国際社会に対して、「国全体」のアプローチとして、国際連帯税の導入を取り入れていくように呼び掛けるとともに、さらなる資金調達メカニズムの構築の追及を求める言及がなされたと、外務省より報告がありました。
また、G8は国際連帯税について中心的に作業をすすめる「リーディング・グループ」(日本も最近加盟)の動きにも注目し、グループの提言を検討していくことが確認されたようです。
○米国ならびに日本での活動について
米国での「国際連帯税」に関する動きについて、(特別非営利活動法人)アフリカ日本協議会の稲場雅紀さんは、「米国では、民主党バラク・オバマ政権に変わったことで、企業が持つ財団やNGOなどが連帯をし、国際連帯税のためのメカニズム構築について、一気に気運が盛り上がるのではないか」と、述べられました。
その一方、オルタモンド事務局長 田中徹二さんは、「日本のNGOは非常に良い活動をしているにも関わらず、海外の会議に参加できるだけの資金力がなく、現状では他国の政府に資金援助を求めなければならない」と報告がありました。これに対し、出席した議員の中から、ぜひ議員連盟で、検討したいと発言がありました。
川田龍平は「、国際連帯税の導入には大義名分が必要である」という発言に対し「HIV陽性者として、参議員環境委員会のメンバーとして、国際的な課題については、関心を持ってきた。国際連帯税の導入については、超党派で議員連盟を組んでいる意義を含め、積極的に国民の皆さまに情報を発信していくつもりだ。国会議員の方々や国民、世界にこの税の導入の重要性を訴えていきたい」と述べました。
既に導入されている「国際医薬品購入ファシリティ(IDPF)」という資金調達メカニズムでは、7億3,000万ドルを93ヶ国に拠出し、HIV陽性者の子どもたち10万人の治療、46,000人の薬剤耐性HIV治療ならびに11万人の小児結核治療を行っています。こうした新しい資金調達メカニズムの導入によって、さらに多くのHIV陽性者が救われます。日本が、エイズを始めとする世界規模の感染症対策等の舵取り役となれるよう、HIV陽性者という当事者の立場から、そして国会議員の立場から動いてまいりたいと思います。